おすすめ映画・漫画【2019年3月】
どうも,かなっぺです。
2019年3月に見た映画・読んだ漫画を紹介したいと思います!
※ネタバレ含みます。
映画
『未来のミライ』 ★★★★☆
おすすめポイント:「家族の絆」
おすすめ対象:小学生以下の子供を持つ親,中学生・高校生
小さい木が立つ庭のある家に住む、4歳で甘えん坊のくんちゃんは、生まれたばかりの妹に対する両親の様子に困惑していた。ある日、くんちゃんはセーラー服姿の女の子と出会う。彼女は、未来からやってきた自分の妹で……。
スタジオ地図の細田守監督作品です。細田さんの作品はどれも好きなので,今回も見てみようと思ってみました。
主人公は4歳児のくんちゃん。
くんちゃんが親の愛情を妹に取られて嫉妬する様子や、両親が2人の子供の世話と仕事との両立に追われる様子は,とてもリアル。そこへさらに,中庭の木の不思議な力によって,家族の過去と未来にタイムスリップするファンタジー要素が加わります。
こうした「リアルとファンタジーの融合」が物語に広がりを与えています。
今は赤ちゃんの妹にいつかは好きな子が出来ること,大人な両親にも少年少女の時代があったこと,自分が生まれる前に亡くなったひいおじいさんにも信念や青春があったこと,これまでの先祖の奇跡のような偶然が重なって今の自分があることを知れます。血縁という尊いつながりについて丁寧に描かれ,見た後は家族を大切にしたいと思える良作でした。
『カメラを止めるな!』 ★★★★★
おすすめポイント:「作中作の入れ子構造が斬新!」
おすすめ対象:映画が好きな人,コントや漫才が好きな人
監督・俳優養成の専門学校「ENBUゼミナール」のシネマプロジェクト第7弾となる異色ゾンビムービー。オムニバス『4/猫 -ねこぶんのよん-』の一作を担当した上田慎一郎が監督と脚本と編集を務めた。ゾンビ映画を撮っていたクルーが本物のゾンビに襲われる様子を、およそ37分に及ぶワンカットのサバイバルシーンを盛り込んで活写する。出演者は、オーディションで選ばれた無名の俳優たち。
無名の監督・出演者で細々と上映が始まり口コミで徐々に話題を呼んで,ついには昨年数々の賞を受賞した言わずと知れた話題作。
この映画は何といってもそのストーリー構成が特徴的です。
そしてまだこの映画を見たこと無い人にストーリー構成について話してしまうと,この映画の面白みが1/10減位になってしまいます。
なのでこの映画に少しでも興味があってまだ見たこと無い方は,ぜひストーリー構成のネタバレを見ずに作品を見ることをお勧めします。そしてその時冒頭40分間は,「この映画の何が面白いんだろう・・・。」という感想を持つことだと思います。ですがそこは我慢して最後まで見ることを強くお勧めします。きっと霧が晴れるようにじわじわと面白さが味わえると思います。これを味わえるのは最初の1回だけなのでとても貴重です!後悔はしないと思います。
「超大作映画」ではなく「とても手の込んだ良作のコント」といった表現がしっくりきます。
「映画撮影をする映画を撮る」という斬新な発想が楽しめ,見ていて楽しくなる映画です。
「作中作」が気に入った人はこんな作品もオススメ
『残像に口紅を』
この小説は作中の小説家が書いた作品ということになっています。
小説家は読者である「私たち」を意識しながら,作中から一つずつ文字を消すという実験を試みます。消えた文字で使えなくなった物はその世界から存在が消されます。
30年も昔に書かれたとは思えない程の斬新さ,筒井康隆さんの究極の実験作と呼ばれています。
アメトーークの「読書芸人」でカズレーザーさんがオススメしていたことでも有名です。
『図書館内乱/レインツリーの国』
有川浩さん作の「図書館戦争」シリーズにて,登場人物の一人が知り合いの中途失聴の少女に薦める本として登場するのが『レインツリーの国』です。
『レインツリーの国』は,読書好きの男性が,小説の感想を書いているサイトの管理人であり難聴を抱える女性と出会い,交流を重ねていくラブストーリー。
図書館戦争シリーズを読んでから,レインツリーの国を読むことをおすすめします。
『祈りの幕が下りる時』 ★★★★☆
おすすめポイント:親子の絆
おすすめ対象:ミステリーが好きな人
類い稀な推理力で難事件を解決に導く刑事を主人公にした、東野圭吾の人気ミステリー小説を映像化した『新参者』シリーズの完結編。謎に包まれた殺人事件の捜査線上にある女性演出家が浮上したことで、主人公・加賀の母が失踪した理由や父との不和、加賀自身の過去が明かされる。
東野圭吾さんの加賀恭一郎刑事シリーズの映画化。
東野さんのミステリー節が遺憾なく発揮されていました。謎がほぼ終盤まで続き,最後にその謎の裏に込められたドラマが明かされるという筋書き。
今回はずばり「親子の絆」ですね。泣けます。
東野圭吾さんの作品では「一見理解されがたい行動の裏に隠された」「歳月を超えた」「愛」という3要素が良く出てくるように思います。『秘密』しかり,『手紙』しかり。鉄板ですが人の心に訴えるものがありますね。
漫画
『プロミス・シンデレラ』 ★★★★★
おすすめポイント:不器用な恋愛
おすすめ対象:20代~恋愛漫画が好きな人
つつましく、平穏な暮らしを送る専業主婦の早梅。彼女の前に現れたのは、性格の悪そうな金持ちの男子高生・壱成。この男との出会いが早梅の平穏を一変させる…。”人生”に必要なのは愛か、金か、それとも運か――!?銭が繋ぐ、専業主婦と男子高生の”リアル人生ゲーム”がはじまる――!!
ベタなんだけどバツイチアラサー女性と男子高校生のラブストーリーです。お互い真っすぐで不器用な性格で,それが故にすれ違っちゃってなんとももどかしい!気が付いたらついつい2人の応援をしている自分がいます。
『猫のお寺の知恩さん』 ★★★★☆
おすすめポイント:ほのぼのした日常
おすすめ対象:猫が好きな人
のどかな田舎の高校に進学した源(げん)。下宿先の、親戚のお寺で同居することになった3つ年上の知恩(ちおん)ねーちゃんは、しっかり者に見えてなんだかとっても無防備で……? ダサくて、3つ年上で、働き者で、あっけらかんといい感じな知恩さんとおくる、のどかでソワソワ縁側ラブコメ!
日常の穏やかで何気ない生活を温かい目線で描いた作品。猫が沢山出てくるのでそれだけで癒されます。
知恩さんはどこか『3月のライオン』の「あかりさん」にも似た雰囲気を感じます。
源ちゃんは当初,女性に免疫のない少年というイメージでしたが,話が進むにつれて男らしく成長していき,後半はドキっとする大胆な行動をとることも。この源ちゃんの成長も作品の見どころの一つだと思います。
そしてただほのぼのなだけではない,登場人物それぞれが抱える悩みがリアルで感情移入しちゃいます。
『薬屋のひとりごと』 ★★★★☆
おすすめポイント:薬の知識で事件を解決
おすすめ対象:時代劇が好きな人
中世の東洋を舞台に「毒味役」の少女が宮中で起こる難事件を次々に解決する。
大陸の中央に位置する、とある大国。その皇帝のおひざ元に一人の娘がいた。名前は、猫猫(マオマオ)。
花街で薬師をやっていたが現在とある事情にて後宮で下働き中である。
そばかすだらけで、けして美人とはいえぬその娘は、分相応に何事もなく年季があけるのを待っていた。
まかり間違っても帝が自分を“御手付き"にしない自信があったからだ。
そんな中、帝の御子たちが皆短命であることを知る。今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。
美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。
人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。
きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。
壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。
稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
ちょっと引用長めですが作品の魅力がよく表現されていたのでそのまま載せました。
小説サイト「小説家になろう!」に投稿された作品が口コミで話題となり,ライトノベル化,さらにコミックス化した作品です。
中世の東洋という時代設定,薬屋の知識で事件を解決する過程が面白いです。
薬屋のひとりごと 1巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)
- 作者: 日向夏(ヒーロー文庫/主婦の友インフォス),ねこクラゲ,七緒一綺,しのとうこ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2017/09/25
- メディア: Kindle版
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『12人の死にたい子どもたち』 ★★★★☆
おすすめポイント:謎解きの過程をじっくり楽しめる
おすすめ対象:ミステリーが好きな人
ネット上のホームページに導かれて、廃病院に集まった十二人の少年少女。初対面の彼らの目的は全員で「安楽死」をすること。だが、決行するための地下室にはすでに一人の少年が横たわっていた。彼は、自殺か、他殺か、そもそも誰なのか。少年少女たちは不測の事態に際し、この集いの原則「全員一致」に従い話し合いを始める──! 異才・冲方丁の直木賞候補作を、実力派・熊倉隆敏が渾身のコミカライズ!
2019年1月に映画化されていて気になったのですが,題名が「子供」と「死」と重めだったので今まで読んでいませんでした。しかし『天地明察』の冲方丁さん作の本がコミカライズされたものだと知って一気に興味が沸き,手に取りました。
そして読んでみると,この作品,60年も昔の映画『12人の怒れる男』のオマージュであることに気づきました。「集まった12人が全員一致の原則に従い話を進め,謎を議論していく」というスタイルを,「安楽死」という,「裁判」とは全く異なるテーマで見事に描いていて,さすが冲方さん,と感心しました。
実はまだ1巻しか読めていないので結末は知りませんが,既に謎が気になり,どんどん話に引き込まれていきます。続きを読むのが楽しみです。
十二人の死にたい子どもたち(1) (アフタヌーンコミックス)
- 作者: 冲方丁,熊倉隆敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/11/07
- メディア: Kindle版
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オマージュの元となった『12人の怒れる男』も非常に良作なので,まだ見たことがない人はぜひ!
以上,最近見た映画・読んだ漫画の紹介でした!
どれもハズレ無しに面白いものばかりなので全部オススメです!
今読んでいる本も面白いのでまた読み終わったら紹介したいと思います!