Bathking in the sun.

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旅行,時事,ゲーム,テクノロジー等について思ったことを書いています。

ディズニー実写映画『アラジン』の感想。ジャスミンとジーニーの内面表現について

お久しぶりです,かなっぺです。

更新の間隔が空いてしまいましたが,

7月に公開された映画,『アラジン』の実写版を見てきたので感想を書きたいと思います!

※ネタバレ含みます。

『アラジン』 ★★★★★

おすすめポイント:「原作からの変更点」

おすすめ対象:原作を見たことがある人

アラジン (オリジナル・サウンドトラック / 日本語版)

アラビアン・ナイト」の物語をベースに、不思議なランプを手に入れた若者が愛する女性を守るため繰り広げる冒険を描いたディズニー・アニメの名作を、「シャーロック・ホームズ」シリーズのガイ・リッチー監督のメガホンでディズニーが実写映画。(映画.comより)

言わずと知れた名作。久しぶりに劇場に足を運んで見ました。

見終わった後の率直な感想としては,「1000円代でこの作品を劇場で見れるのは安い!」です!それほど,映像と音楽と脚本,全てにおいて極上のエンターテイメントに仕上がっていました。

直前にテレビ放送でアニメ版を見ていたので,それと対比させながら見れたのが良かったです。基本的なストーリーはアニメ版を再現しているのですが,アニメ版が制作された1992年当時から,現代の社会に合わせてあえて脚本を変更しているな,と感じる部分がいくつかありました。

特に強く感じたのが,ジャスミンジーニーの内面表現です。

 

ジャスミンの内面表現

アニメ版のジャスミンは宮殿のカゴの中の鳥状態の暮らしに辟易し,自由を望む王女として描かれていましたが,今作ではさらに踏み込み,『女王になり,国民の幸せを実現したい』という強い意志が描かれています。「自由を望むだけのプリンセス」から,「国民の事を考え,リーダーとしての素質を備えた強い女性」へと変化しています。描き方にも力を入れていて,異例の「新曲」『スピーチレス』の独唱を「2回も」入れていました。それだけ,ディズニーが世に示したい女性像が変わっていることを感じました。


実写版だけの新曲!ジャスミンの独唱に心が震える/映画『アラジン』本編映像

 

アラジン オリジナル・サウンドトラック(英語盤)

アラジン オリジナル・サウンドトラック(英語盤)

 

 

ジーニーの内面表現

一方ジーニーは,「自由を求める心」に加えて,「人間へのあこがれ」を持っていました。また,新キャラとなるジャスミンの侍女,「ダリア」に思いを寄せるシーンも描かれます。

ジーニーはランプの魔人として,(おそらく)不老不死で最強の魔法使いです。そのジーニーが,たかだか100年しか生きられず,魔法も使えない普通の人間にあこがれているのです。このジーニーの内面表現を通じてディズニーが描きたかったのは,愛する人と共に同じ風景を見て,子供を産み,家族と共に限りある命を輝かせる人間の尊さ」なのではないかと思いました。

また,映画冒頭は,夫婦と2人の子供が航海をして,アラジンの話を始めるという始まり方をするのですが,最後に実はその夫婦こそが,人間になったジーニーとダリア,そして2人の子供たちだったことが分かり,これが見事な伏線回収となっています。

 

実写化の映像表現

魔法表現は得意分野!

魔法を使うシーンはディズニーの真骨頂が遺憾なく発揮されていて見事の一言でした。音楽と映像美が相まって,極上のエンターテイメントに仕上がっていました。

見終わった後は,ミュージカル公演を見た後のような充足感を感じました。

 

ジーニーの青いウィル・スミス感

ウィル・スミスがあまりにも有名すぎて,始め見た時は「ウィル・スミスが青い!」という感想になってしまいました。笑;

ですが見るうちに慣れてきて段々違和感はなくなっていきました。

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アブーとイヤーゴはより「動物らしく」

アニメ版のアブーとイヤーゴはかなりデフォルメされていてキャラクターとしての個性が強く出ていましたが,実写化に当たり大分元の動物らしいキャラクターになっていました。個人的にはイヤーゴのおしゃべりキャラが無くなってしまったのは少し寂しかったです。。

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続編に期待したいが…

アニメ版では続編として『ジャファーの逆襲』と『盗賊王の伝説』の2作があります。

実写版ではアニメ版同様にジャファーがイヤーゴと共にランプに閉じ込められて彼方へ飛ばされるシーンが描かれていますので,続編も期待したいところなのですが・・・懸念点が2つ。

懸念点その1 ジーニーが人間になってしまっている

アニメ版ではジーニーは魔法を使えるままですので,その力を使って活躍します。それが無いとなると,なんとか人間だけの力で立ち向かわなければならなくなります。何よりジーニーの魔法のシーンというのは見ていて楽しいので,演出上の派手さも欠けてしまうような気がします。

懸念点その2 イヤーゴの言葉問題

アニメ版のジャファーの逆襲では,オウムのイヤーゴが改心する様が描かれています。しかし実写版のイヤーゴはアニメ版のおしゃべりなキャラクターとは異なり,より「オウムらしく」片言でしか話しません。

このイヤーゴでは心境の変化の機微を描くのが難しそうだと思うのです。

以上の点をふまえ,続編があるかどうか,あるとしたら上記の懸念点を解決するようどう工夫するのか,注目したいと思います。

アラジン/ジャファーの逆襲 スペシャル・エディション [DVD]

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以上がディズニー実写映画『アラジン』を見た感想です。

まだ上映中なのでアニメ版を見たことがある人は是非!見る価値ありだと思います!