こんにちは,かなっぺといいます。
4月になり,新しい環境で生活をスタートされた方,新たな人々との出会いを経験された方も多いと思います。
それはつまり,新たに出会った人との「コミュニケーション」が活発になっている時期でもあります。そして私たち人間は,そのコミュニケーションのほとんどを「言葉」に頼っていますよね。
では突然ですが,あなたが発した「言葉」,本当に正確な意味で使えていますか?また,正確な意味で相手に伝わっていますか?
同じ言葉を使っていても,実はイメージしている意味は人によって大きな差があることをご存知でしょうか。
というわけで,今回は文化庁が毎年実施している『国語に関する世論調査』の中から興味深い結果が得られていたのでご紹介したいと思います。
- 「憮然とした表情」ってどっち?
- 「天地無用」の荷物,どうすればいい?
- 「情けは人の為ならず」,結局「情け」は良いの?悪いの?
- 「やぶさかではない」と言われたら,相手はいやいや?喜んでる?
- 「心が折れる」って伝わる?
- 「ほぼほぼ」って伝わる?
「憮然とした表情」ってどっち?
上の人物の表情のうち,「憮然とした表情」はどちらだと思いますか?
・・・
正解は
・・・
左の表情でした!
「憮然とした」の本来の正しい意味は「失望してぼんやりしている様子」です。右のような「腹を立てている様子」だと思っている人が多いのです。
どれくらい多いのかというと,
なんと30~50代では70%以上もの人が間違った意味の「腹を立てている様子」だと回答。
「天地無用」の荷物,どうすればいい?
ダンボール箱に貼られている「天地無用」の印,意味を知っていますか?
正解は,「上下を逆さにしてはいけない」でした。
「常識だ」と思う方もいるかもしれませんが,20代までの実に半数の人が「上下に気にしないで良い」か「わからない」と回答しているのです。
新人さんの2人に1人は知らない,と思っておいた方が良さそうです。
宅急便のやり方教えてるが「発払い・着払い」「天地無用」の意味を知らないとか萎える。新人3人全員解らないとか何
— むー (@yucchi118) June 19, 2010
私の勤務先で新人に先ず教えなければならないのは、「天地無用」の箱はひっくりかえすなと指導。レベル低いでしょw
— miri_junk('●ω●'-) (@miri_junk) February 19, 2012
「情けは人の為ならず」,結局「情け」は良いの?悪いの?
「情けは人の為ならず」と言われたら,どんなリアクションを取りますか?
本来の意味は,「人に親切にすれば,その相手のためになるだけでなく,やがてはよい報いとなって自分にもどってくる。」ということです。
誤って「親切にするのはその人のためにならない。」と思っていた人,いるのではないですか?
・・・はい,私のことです。笑
こちらも60歳以上以外は誤って認識している人の方が多いという結果が出ています。
「やぶさかではない」と言われたら,相手はいやいや?喜んでる?
「やぶさかではない」の気持ち,わかりますか?
・・・正解は,「喜んでいる」です。
「~するのはやぶさかではない。」は,「~する努力を惜しまない」,「積極的に~する」という意味になります。
こちらも,約半数が「いやいやしている」と誤認しているという結果になっています。
以上,誤用されがちな表現を4つ紹介しました。
このような適切な表現に気を付ければコミュニケーションはバッチリ!
・・・というには実はまだいかないのです。
若い人は,比較的最近使われるようになった言葉,いわゆる「若者言葉」を使いがちですが,それ,40歳離れた人にも伝わりますか?
次は,新たな表現について年齢別の認知度の差を少し紹介します。
「心が折れる」って伝わる?
「・・・そろそろ心が折れそうです。。」そんなSOSを発したあなたに,「は?心って折れるの?」と頓珍漢な返答が来る可能性はあるのでしょうか?
幸いなことに,60代までの90%以上が言葉自体を「聞いたことがある」と回答。
「心が折れる」は使われることはなくても市民権は得ているようです。
「ほぼほぼ」って伝わる?
では,「ほぼほぼ」はどうでしょうか?
こちらは,50代の20%,60代に至るとほぼ半数が「聞いたことがない」と回答しています。
「ほぼほぼ同じくらいですよね~。」と気軽に言っても,
内心「なんでこの子「ほぼ」を繰り返したんだろう・・・?」と怪訝な顔をされるかもしれないので要注意です。
こういった新しい表現は,一般に倦厭されがちですが,
これを逆手にとって年上が年下に使うと,
「この人気さくな感じだな。」「話しやすいな。」と親近感を感じてもらえるようになるかもしれませんね。
以上,間違いがちな言葉や認識に年代差がある言葉を紹介しました!
文中ではわかりやすいように「正しい」,「正しくない」という表現をしましたが,
実際は言葉は「生もの」で,そして「使う人がいて初めて意味がある」ものです。
そのため,昔は間違っていると言われても,それを使う人が大多数を占めるようになれば,それが「正解」になるのです。
ただ,その過渡期にあるような言葉には,いらぬ誤解を生まぬように工夫をするとスムーズなコミュニケーションが行えるかもしれませんね!