Bathking in the sun.

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旅行,時事,ゲーム,テクノロジー等について思ったことを書いています。

告白/湊かなえ

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。第29回小説推理新人賞受賞作。

いわずと知れた有名作。読み出したら止まらなくて、夜中に一気に読んでしまいました。
一言感想を述べると、怖い話でした。登場人物が「A」や実名で客観的に語られていてリアル。そして心の病というには怖すぎる、人間の狂気をすごく上手に描写しているな、と思いました。
少年犯罪をテーマに、事件の関係者それぞれの視点から語られていますが、私が一番怖いと思ったのは、犯人に対する周囲の反応。たとえその人が人を殺していたとしても、同じ罰を受けろ、永遠に苦しめ、と、執拗に犯人を追い詰める周りの人。犯人を裁く権利が自分にあるのか、何のためにそんな事をするのか。
まぁ私も実際テレビのニュースだけを見てあれやこれや憶測をしたりする事があるので、あんまり人の事を言えませんが。
客観的に眺めたら一番残酷なのはその人達かもしれないと思いました。

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